2020年08月29日

政機

 森羅万象にはタイミング、
「機」というものがあります。

 この点から、安倍総理の優れた点は、
私は4つあったと思います。

 まず、政権に復帰する際に、本来の
問題意識の強い憲法、安全保障
ではなく、まずは経済成長、金融緩和、
成長戦略を大義に掲げた政機であり、
労働組合以上に賃金の引き上げを熱心に
取り組み、雇用を増やし、
日経平均株価を2万円台に取り戻した
こと。

 2点目には、
持続可能な社会保障の確立の為、
2度にもわたり消費税を引き上げた唯一の
総理である事。

 平成以降の政治は富の再分配ではなく、
負担と責任の再分配です。

 国民が避けたいことでも、国家と日本社会
に取って必要なことを成し遂げる気概と情熱と
説得力と合意形成を成し遂げる人間的度量が
政治家の条件です。

 長期安定政権を基盤を活用し、社会保障の
財源を獲得した政機。

 3点目は得意の外交分野で、各国の
政治指導者と肝胆相照らす関係を構築したこと。

 この時期に安倍首相であったことは日本政治の
政機でもあったでしょう。

 昨年、EU議員やドイツの国会議員と意見交換した
際、トランプ大統領やプーチン大統領と27回会談を
した安倍首相のことを猛獣使いと例えた方も
いました。

 そして、政治が権力闘争も本質とする以上、
3回の衆議院総選挙と3回の参議院選挙を
勝利したということ、特に、解散の時期を判断する
政機は、実に優れたものがあったと考えます。

 その観点から、重大な政治案件が山積する
状況を踏まえ、自らの健康状態を熟考したうえ、
辞任の判断をこの時期に決断した時機を観る
洞察力も、適切である感がします。

 出処進退も政機です。

 本当にお疲れ様でした。有り難うございます。
 





Posted by 國場幸之助 at 22:59│Comments(0)
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