2021年03月15日

地球儀を俯瞰した日米豪印関係

先週金曜日の、日米豪印の初の首脳会談は、
歴史的な一日でした。

 安倍総理がケニアで提唱した
「自由で開かれたインド太平洋構想(FOIP)」の
基軸国である4ヶ国で、初めて首脳間が予定時間を
大幅に上回る会談となりました。

 が、気になる点もあります。

 成果の一つに、ワクチンパートナーシップがありますが、
国際的なワクチン接種を支援するCOVAXの取り組みを
補完する緊急無償資金協力が、
東南アジアと南西アジアと太平洋諸島に限定されている
点です。

 私は、FOIPは、地理的な概念とは考えていません。

 確かに、FOIPには、急速に覇権化する中国を封じ込める
役割と、国際社会に中国をソフトランディングさせる素地の役割を
果たしていますが、自由と民主主義、法の支配と人権という
普遍的な価値を尊重した国家間の関係の構築は、
世界中どこでも必要な理念です。

 私は、日系人社会も多くいる、南米のパラグアイも懸念しています。

 パラグアイは南米で唯一の台湾との国交関係の故、
中国からの激しい締め付けを受けています。

 中国との絡みで、日米豪印が連帯しているのなら、
アジア太平洋という枠組みを超え、地球儀を俯瞰し、
中国の覇権主義に抑圧されている諸国の支援も必要です。

 日米豪印、のちのFOIPの構想も、第一次安倍内閣の
2007年から事務レベル対話がスタートし、
第2次安倍内閣の下、2017年から局長級会談が行われ、
2019年に最初の外相会談があり、今回、首脳会談と
結びつきました。
 
 外交戦略とは息の長い時間のかかる実践です。


 

 

 

Posted by 國場幸之助 at 22:48│Comments(0)
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