自衛隊法82条海上警備行動

國場幸之助

2021年03月03日 23:17

 外国公船の乗員が尖閣諸島に上陸した際、
特別な必要がある場合、自衛隊は、
自衛隊法82条により、防衛大臣が、
内閣総理大臣の承認を得て、海上警備行動を
とる事が出来ます。

 その際の特別な必要とは、海上保安庁の船が
足りないという量的な場合と、相手側の武装が
海上保安庁の武器の能力を著しく超えている質的な
場合があります。

 海上警備行動の権限は、
海上保安庁の武器使用と同様に、
自衛官に、警察官職務執行法7条が準用され、
危害射撃は可能ですが、具体的には、
正当防衛(刑法36条)、
緊急避難(刑法37条)、
重大凶悪犯罪が職務執行に抵抗する場合に限定され、

海上保安官や警察官の様に司法警察職員でないので、
自衛官には犯人逮捕や逃走防止の為に武器使用は
出来ません。

 自衛官が海上警備行動を執行する際にも、
尖閣諸島への上陸と重大凶悪犯罪との認定は、
個別の状況に応じて判断されるとし、
過去の閣僚の議事録を読んでも、
一概に言うことは出来ない、基準とか、相場観も存在しない、
等々、個別判断となっていますが、
事案整理をせずに、現場の自衛官に判断と決断を委ねるのは
酷ですので、その辺りも探究します。