2014年08月27日

中国訪問(その3)

 今回は北京以外にも、蘇州市副書記、
蘇州市日本企業との意見交換会や工場
視察、現地の若手メディアや企業家との
意見交換会、そして、上海の自由貿易
試験区、上海総領事、上海国際問題
研究所等にも、訪問しました。

 若手世代との意見交換では、
阿倍仲麻呂から日本のアニメまで、日本
とのつながりと未来志向への話題も飛び
交いましたが、「歴史的事実を認識、探求
する前提として、態度が大切である」と言う
発言が印象的でした。

 あと、日本の中国に対するODAのことは、
数十人の次世代の中国の方々は全員知ら
ない一方で、「東日本大震災では中国から
多くの支援が日本になされた」と言及して
いましたが、日本の対外発信の課題も感じ
ました。

 蘇州での、日東電工(株)視察は特に刺激
になりました。

 「成長するマーケットを選択し、ニッチを対象
に、固有の差別化、NO1シェアを狙う」という、
グローバル・ニッチ・トップを文字通り体現して
おり、中国の国家戦略に対応した中国市場
展開を位置づけている考えにも、共感できま
した。

 また、「今までは、日本のスタイルを中国に
持ち込んで教育すれば一定の成果を上げる
ことが出来たが、今では、現地の中国人から
提案させ、意義と合意を形成しながら運営を
心がけないと業績の向上にはつがらない。
この変化は、日本にいては中々、観えな
かった」とか、「中国を生産地という発想だけ
ではなく消費地という視点も絡めて、展開する
ことが大切だ」という話も参考になりました。

 もちろん、多くの課題も見えました。

 まず、急速に豊かになったが故の心の
問題。

 経済的物質的豊かさを支える倫理の醸成は、
いたるところで話題に上っていました。

 また、急速な経済成長を遂げたがゆえの、
人々の権利意識の高まりと、一日に約270件、
年間10万回ともいわれる暴動が国内で発生し、
中でも就労問題、労働争議が、最も多く発生し、
深刻とのことでした。

この数ヶ月間で、台湾、イスラエル、
シンガポール、アメリカ、イギリスと議員外交を
展開しましたが、「中国」が議題にならない場面
はありませんでした。

 南シナ海や東シナ海への海洋進出、防空識別
圏の設定、孔子学院などを突破口に、チャイナ・
スタンダードの普遍化をばく進するスタンスに
懸念を抱く声も多く聞かれました。

 日中両国民が9割も好感を持っていない現状は、
一衣帯水の引越しが出来ない隣国として、双方に
不幸です。

 今後とも、日中次世代交流委員会をはじめ、
中国外交にコミットしていきたいと考えています。

 

 

 
  

Posted by 國場幸之助 at 20:41Comments(0)

2014年08月25日

中国訪問(その2)  

 22日は、小桜の塔での、対馬丸の慰霊祭
に参列しました。

 学童疎開780人を含む1485人の尊い御霊
が犠牲になった対馬丸の撃沈は、沖縄戦の
悲劇の極地です。

 次世代の宝であった学童らの鎮魂の最中で、
今世界や国内、そして県内で起きている様々な
出来ことを思い浮かべながら、現実社会に対峙
する政治家として、恒久平和の誓いを新たに
しました。

 中国訪問の続きを綴ります。

 北京では、外交部の劉健超部長助理、中共
中央対外連絡部の陳鳳翔副部長、そして、
中共中央政治局委員、国家副主席の李源潮と
会見や懇親をする機会に恵まれました。

 北京での記者会見で私は、「劉部長助理は、
「我々は日中友好を実現する同志であり、戦友
だ」と言う言葉が印象に残った。陳中連部副部長
からは、「日中はいまや互恵関係でなく互損関係
に成り下がっている。特に経済や両国の将来に、
悪影響を与えている」と云う指摘があった。
李国家副主席は、「日中関係に生涯を捧げた日本
の古い世代の指導者の歴史・伝統・志をしっかりと
継承し、若いエネルギーで日中関係にプラスの
エネルギーを発揮してほしい」との激励があった」
と報告をさせて戴きました。

 実際の意見交換、懇親の場面で私が主張した
内容は二つあります。

 まず、中国の違法サンゴ船の徹底取り締まり。

 次に、東シナ海で不測の事態が起きないように、
互いの公船や首脳同士の緊急連絡メカニズムの
確立は急務である、と、主張しました。

 超党派若手議員で構成される、日中次世代
交流委員会は、いくつかのミッションを定めて
います。

 それは、日中関係は世界で最も重要な関係
であることを深く認識し、日中関係がいかなる関係、
状況であろうとも、毎年中国を訪問し、対話を継続
するということです。

 昨年の北京での対応は、四季で例えると「冬」の
ようなものでした。

 今の日中関係の責任は日本側に全て起因すると
攻め立てられていたからです。

 しかし、今回は、李国家副主席の、「現下の厳しい
関係は、日中相互の信頼の欠如に起因している」と、
中国側にも努力の余地が有るとの含みを持たせ、
関係において、「春」の兆しを感じました。

 投資関係では、今年の半期の対中投資が、前年
同期に比べて48.8%も激減しており、過度な反日
感情が長らく続いている現状は、中国にとっても
マイナスであるという危機感と関係改善への意欲が
あるなという印象を持ちました。
 
 後は、習近平が国家主席として共産党幹部の
汚職摘発をはじめとして、内政面での権力闘争が
ひと段落着き、次は対外関係に乗り出したという
解説も中国で聞きました。
  

Posted by 國場幸之助 at 01:17Comments(0)

2014年08月21日

中国訪問(その1)

本日、中国から帰国しました。

 昨年同様、若手国会議員超党派の
メンバーで、北京、蘇州、上海に行きま
した。

 北京では、李源潮国家副主席の
会談の席にも同席することが出来ました。

 李国家副主席が日本の国会議員と会談
するのは、今回が初めてという事でしたが、
昨年と対応も態度も大きく異なり、冬から
春の兆しを感じさせる内容でした。

 内容は後日記していきますが、一筋縄では
いかない複雑かつ巨大な国家です。

 また、現地でも報道で知りましたが、広島県
の土砂災害による死者行方不明者の方々、
遺族関係者には、心よりお悔やみとお見舞いを
申し上げます。

 自然災害と国土に対する、今までの研究と
情報の共有と対策が急務でもあります。



 

   

Posted by 國場幸之助 at 23:59Comments(0)

2014年08月16日

東京オリンピック開会式に沖縄伝統空手を!

 東京オリンピックの開会式は、
日本の姿と理想を世界に示す貴重な
機会です。

 本日私の後援会事務所に、「2020年
東京オリンピック沖縄空手演武推進
委員会」の役員の方々がお見えになり、
その意義を詳細に聞きました。

 前回のオリンピックは、1964年。

 沖縄の本土復帰が、まだ、実現されて
いない時期でもありました。

 2020年は、沖縄に取り、日本に復帰して
初めてのオリンピック・パラリンピック参加
の記念すべき機会でもあります。

 沖縄は空手発祥の地でもあり、空手ほど、
世界中に普及した沖縄の精神文化・武道は、
ありません。

 オリンピック開会式のアトラクションへ参画
するには、様々な課題が想定されますが、
一つの県民目標としても、実現を目指す推進
委員会の皆様と連携を深めながら、取り組んで
いきます。

  

Posted by 國場幸之助 at 22:45Comments(0)

2014年08月16日

スコットランド住民投票

 約4年ぶりに、イギリス訪問しました。

その目的は、スコットランドの独立投票の
動向を体感したいということがメインでした。

 9月18日に投票を控えた時期で、当初は、
エディンバラやグラスコーまで足を運びた
かったのですが、選挙前で対応が多忙と
いうこともあり、ロンドンでの外務省からの
ブリーフィングと、英国に生活をする妹夫婦
との会話、そして、メディア等で、見ていま
した。

 「独立」というと、極めて特殊な行為であり、
途方も無い印象を持っていました。

 しかし、イギリスは、かつて植民地であった
とかで52カ国で構成される連邦国であり、
多くの国々が、特に20世紀に多くの「独立」を
経験してきたDNAがあるためか、地に足の
着いた検証をしている印象を受けました。

 具体的に何処で感じたかというと、イギリス
に着いた直後に、スコットランド民族党(SNP)
のアレックス・サモンド党首と、統一派の
ベタートゥゲザーのアリスター・ダーリングとの
テレビ討論が開催されていましたが、その
扱いでした。

 私の英語力では理解できないところが多々
ありましたが、外務省職員の解説も聞きながら、
「通貨」と「財政」などが、具立的な争点に
なっていたとのことであり、識者の判断では、
独立反対派のダーリング氏に軍配を上げて
いたようですが、翌日の「THE TIMES」に
よると、投票先を決めていない有権者は、
44%VS36%で、独立推進のアレックスSNP
党首が討論に勝ったと観ており、より優れた
討論者としても41%VS38%と、アレックス氏
に支持が集まっていました。

 同紙の今月の世論調査では、スコットランド
独立支持者が42%、反対派が47%、分から
ないが11%でした。

 一年前の9月が、独立賛成32%、反対49%、
判断保留が19%であることを踏まえると、
いかなる結果になるが不透明な情勢です。

 沖縄とスコットランドには多くの類似性が
あります。

 まず歴史的には、スコットランドも、もともと
独立国であり、1707年にイギリスに合併され、
1885年にスコットランド省が設置され、北海
油田が1970年に発見され、資源ナショナリズム
と独立の氣運が高まりました。

 沖縄も、1609年の薩摩侵攻や、1879年の
廃藩置県による琉球藩から沖縄県の誕生、
尖閣周辺の石油資源が1968年に発見されて
います。

 更に、財政上の自主権は極めて制限され、
起債権もないものの、使途に関しては自由な
一括交付金を活用し、高齢者ケアの無料化や
大学教育費の無料化を実現したのも、参考に
なりました。

 相違点は、分権改革のあり方でした。

 まずスコットランドでは、1999年に議会設置
が実現しましたが、「自己決定権」や「民主主義の
赤字解消」という、立法権、自治権の強化に主眼
が置かれているのに対し、我が国は、公務員の
定数削減や二重三重行政の解消、財政再建と
いった行政コスト論に矮小化されている感も
あります。

 いずれにせよ、来月18日まで目が話せません。

 また、ロンドンに滞在している時に、保守党の
ボリス・ジョンソンロンドン市長が、来年の総選挙に
出馬表明し、国政復帰をするというニュースと
「将来の首相」という報道が華やいでいました。

 ロンドン市長は、EUからの離脱も視野に入れた
EU改革の必要性を訴えており、スコットランドの
独立投票同様、しばらく英国も、世界政治における
震源地となりそうです。
   

Posted by 國場幸之助 at 00:01Comments(0)

2014年08月15日

終戦記念日

畏友からのメールで、

「NHK観てますが、今日が、どういう日なのか知らない世代が51%居るそうです」

という内容を知り、

衝撃を受ける一方で、私自身が後輩や次世代や子ども達に、

どれだけのことを伝えられているのか、

残り少なくなりつつある戦争体験世代から、

生きた歴史を本氣で學んでいるのかと、猛省もしております。
  

Posted by 國場幸之助 at 23:51Comments(0)